6月2日は横浜開港記念日で、横浜市の全小中学校がお休みになる日でした。
私は毎年この機会に、普通の休日は混んでいて避けがちな場所へ出かけることにしています。
例えば、ここ。
東京ディズニーランドです。
今年の開港記念日は、7歳の娘と二人でディズニーランドへ行ってきました。
平日にもかかわらず、園内は相変わらず多くの人で賑わっています。
パレードに、
人気のアトラクション。
年間1,500万人以上が訪れる東京ディズニーランド。
多くの人たちの心をつかみ、人生に寄り添ってきた場所です。
私が初めてディズニーランドに足を踏み入れたのも、ちょうど娘と同じくらいの年齢の頃でした。
あの日の感覚を、長い年月を経た今でもはっきりと覚えています。
私がはっきりと覚えているもの。
それは、地面です。
パークに足を踏み入れた瞬間、地面がまったく凹凸のない、なめらかな地面になったんです。
それまで私が歩いたことのない地面でした。
夢の世界に入り込んだような感覚がありました。
あれから何度もディズニーランドを訪れましたが、いつも地面は美しく整えられていました。
娘と二人だけだったので、ゆっくりとパークを歩きました。
どこか外国のような街並み、
ショーウインドウ。
細部まで作り込まれた世界に、娘も「みて、かわいい」と目を輝かせます。
そんな娘がいちばん喜んだのは、この壁でした。
この面だけで、小さなドアが11個もあったんです。
アトラクションの出口付近。
人はどんどん通り過ぎていく場所です。
別にただの壁でも構わないでしょう。
なのに、形の違うドアがたくさん作ってある。
それだけではありません。
私の身長では背伸びをしても見ることのできない高い場所に、小さな集落があり、家や吊り橋やロープウェイまで作られているんです。
娘を抱っこして私の代わりに見てもらうと、
「洗濯物が干してあるよ!」
「お台所にお鍋もある!」
「畑で野菜を育ててて、カゴに収穫してある」
と大興奮。
誰も立ち止まらないかもしれない場所です。
なのに、そこまで作ってあるなんて。
……ディズニー、すごい。
私はあまのじゃくなので、世界観が完璧なら完璧なほど、その隙間から現実が見えないか探してしまいます。
ところが、なかなか見つからない。
建物の裏側も、
普通の遊園地なら「隅」や「裏」になるような場所も、徹底して世界が続いています。
「ここは見えないから適当でいいや」と思った形跡を見つけることが、なかなかできないのです。
多くの人のお目当ては、華やかなパレードやアトラクションでしょう。
誰も気づかないかもしれない場所。
見上げなければ見えない場所。
わざわざ覗き込まなければ分からない場所。
通り過ぎる場所。
そんな場所でさえ、大切に扱われているように感じます。
少し前、知人が「ディテールに神は宿る、そう思っている」
と言っていました。
その言葉を受けて、私も少しずつですが、金沢文庫のスタジオを整えているところです。
だから余計に、ディテール(細部)が気になりました。
ディズニーは細部に神様だらけだわ(笑)
そして、企業のブランディングも同じなのかもしれないと思いました。
目に見える部分を整えることは大切です。
ロゴやホームページ、広告やSNS。
けれど、表があれば裏があるし、脇もあります。
お客様への返信。
商品の届け方。
社員の言葉。
店舗やオフィスの空気。
人が本当に信頼するのは、そうした目立たない部分なのかもしれません。
ディズニーランドを歩きながら、
信頼とは、見えない場所で裏切らないことによって、育まれるものでもあるのだと感じました。
そして、40年経っても凹凸のない滑らかな地面を保ち続けているディズニーランドを、心から尊敬して帰ってきました。
改めて、人目につかないけれど静かに継続している取り組みを、
企業の信頼とつなげるような表現がしたいと、思いました。

