そのあと、打ち合わせに同行して、タイアップ企画打ち合わせの様子を撮影。
移動の合間に、
撮影に先行して提出してあった原稿に対して、
フィードバックをいただきました。
そこで気づいたのは、
私はまだ、“もう一段奥”にある考えを
表現できていなかったということでした。
事実としては間違っていない。
でも、何かがちがうと感じる。
同じようなことは、私の取材ではたびたび起こります。
提出した原稿を読んだ方が、「確かにそうなんだけど、そうじゃないだよな…」と、
もう一度、対話を希望される。
はじめのうちは、
自分の力不足なのだと思いました。
でも今は、少し違う捉え方をしています。
これは、
「一度の対話でできる仕事ではない」のだと。
聞いたことを正確に整理するだけなら、そんなに難しいことではありません。
でもストーリーブックは、時系列に事実をまとめるだけはないから難しい。
なぜその道を選んだのか、
本当のきっかけはどこにあったのか、
何を目指しているのか、
何を優先して意思決定しているのか。
そういった、
まだ言葉になっていない部分を、
一緒に見つけていくものです。
だから、一度では完成しない。
むしろ、
「少し違う気がする」
「うまく言えていない」
といった違和感が出てきたときに、
はじめて本当の対話が始まるのだと思います。
駅で別れる直前に聞いてみました。
「ストーリーブックの、どのあたりが面白いと思いましたか」
返ってきたのは、
「見えている世界と実際の姿のギャップという、着眼点が面白いと思った」
という言葉でした。
その人の中にあるものを、
その人自身が納得できる言葉でかたちにし、
「軸」として持てるようにすること。
そのために、対話を重ね、
立ち止まり、
もう一度、問い直す。
思考を見えるかたちにすることで、
誰かがその人、その商品、サービスを選ぶ、
判断基準になる世界観をつくる。
そういった、
対話による言語化のプロセス全体が、
ストーリーブックという商品だと思っています。
ここまで書いたあと、
子どもたちを起こしてご飯を食べさせ、弁当を持たせ、
高校に行く長男、小学校に行く長女、中学校に行く次男と、
つぎつぎに子どもたちを送り出しました。
3人目の次男が出て玄関が閉まったあと、すぐに戻ってきたので、
忘れ物かな?と思って玄関を開けると、
「すごいきれいだから来て」
と、外に誘われました。
外は暑くも寒くもなく、とても心地よい風が吹いていて、
新緑が春の風に吹かれて、さらさらと音を立てていました。
昨夜降った雨の水滴が日に照らされて、キラキラしています。
「外に出たらめっちゃきれいで一目ぼれしたから呼んだ」と言い残し、
次男は自分の世界へと駆けていきました。
さて、私も支度をして、今日のクライアントのもとへ向かいましょう。

