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子どもの幸せを願う静かなとき

colonockleの小さなスタジオに、白とアイボリーのスペースができました。

 

これまでは水色とネイビーなど、どちらかというとクールな雰囲気でしたので、柔らかいやさしい雰囲気も撮れたらいいなと思って作ってみました。

でも今週は、スタジオの出番はナシです。

 

今週前半はご自宅等へ伺ってのニューボーンフォトが続き、後半はhomeでの撮影です。

 

昨日の午前中は葉山へ。先月大きなおなかでスタジオに来てくれた素敵な女性は、すっかりママになり、パパと力を合わせて生後27日目の赤ちゃんをお世話していました。

午後は山本助産院へ、生後2日の赤ちゃんの撮影に向かいました。

そこには撮影のためにパパが買ってきてくれた、小さな小さなリング。

パパがママへプロポーズするために買った指輪と同じお店のハワイアンリングだそうです。

生後2日の小さな細い指にリングをはめて撮影していると、うしろから「20歳になったらペンダントにしてプレゼントするんだ。それで結婚する時に…」と、使い方をママへ説明するパパの嬉しそうな声が聞こえてきました。

 

広い世界の片隅で、静かに繰り返される、親が子の幸せを願うじかん。

そんな時間の一瞬を切り取れることを、本当にうれしく思います。

私にとっては、パパが娘を見つめる暖かな視線も、赤ちゃんの可愛らしさと同じくらいいとおしい被写体です。

 

 

 ニューボーンフォトでは、産まれたばかりの赤ちゃんがついこの前までずっとしていた、小さく丸まったポーズでおくるみをしたり、はだかんぼうにしたりして、丁寧に撮影していきます。

ご自宅にあるものも積極的に撮影に取り入れます。

こちらのお花は、ママが用意されたマタニティサシュをカゴに結びました。

少し前には、大きなおなかに巻いて撮影したんです。

ママって、キレイ。

撮影の合間には、けっこうたくさんオフショットをお撮りします。

パパが上のお子さんと遊んであげている姿だったり、パパとママが「もっと飲むかな、飲んだ飲んだ」と言いながら二人でミルクをあげる姿だったり。

かわいい(^^)

ちなみに、出張撮影でご自宅で撮影する場合、よくかけていただく言葉があります。

 

 

「うちの子はすっごく人見知りで、知らない人が来るとぜんぜんダメなことが多いんだけど、今日は良かった」という言葉。

スタジオでも同様に、「以前にも写真を撮りに行ったことがあって、でも泣いちゃってぜんぜん撮れなかったんですけど、今日はふしぎ」と言っていただくことが良くあります。

 

私は「子どもが大好き!」というタイプではぜんぜんないのですが、子どもに対して大切にしている接し方があります。

 

それは抱っこ紐とおんぶ紐のコンセプトと同様に、「子どもをひとりの人間として尊重する」ということ。

 

子どもはカンが鋭くて、賢くて、繊細。

こちらを全身で観察し、何を求められているのか瞬時に感じ取ります。

感じ取ってどう出るかは、個性によって違います。

子どもはとても個性的です。

 

子どもが観察モードにいることをこちらも感じ、撮影中は私も全力でアンテナを立て、チューニングを合わせます。なので1日2件も撮影すれば疲れます(^^;)

 

先日別のフォトグラファーの方から「ガヤさんは一人で撮影していて、子どもがぎゃーーってなったときはリカバリーできるんですか?」と尋ねられました。

 

うん、できます。

 

ぎゃーーーってなっている子も、怪訝な顔をしてこちらの言うことを一切無視する子も、あまのじゃくな子も、個性的な賢い子。嫌いじゃないです。私のすることは、ノリで気分をあげさせようとせずに、粘り強く丁寧に観察し、合わせること。そして私の誠意を受け取ってもらえれば、子どもは作り笑顔じゃない、ありのままの表情を見せてくれると信じています。

 

反対に「子どもの気分なんてどうでもいいから、とにかく早く、ちゃんとして笑った写真を撮ってちょうだい」と思われているおうちに対応するのは難しいのかもしれません。でも私のお客さまにそういう方はいないので(^^)

 

なのでやっぱり最終的には、お客さまに理解していただき支えていただいている幸せなフォトグラファーなのだと思います。

 

子どもの幸せを願う、平凡だけど暖かなひとときを大切にされているママとパパと一緒に、これからも丁寧に撮影して行けたらと思っております。