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11年前のフォトブックが教えてくれた視点

先日、あるご家族のお宅へ伺いました。

 

車を停めると玄関の扉が開いて、10歳の女の子がひょっこり顔を出しました。

その顔を見て思わず「わぁ、ぜんぜん変わってない!」と笑ってしまいました。

 

変わってないはずはありません。

だって女の子は小学5年生。前に会ったのは、うんと小さいときです。

 

そう、こんなに小さいとき。

2015年の秋に生まれた、一人の女の子。

出産の立ち合い撮影を頼まれていました。

 

ちょうど駆けつけることができた産院のお部屋では、パパも素肌の胸に抱っこする「カンガルーケア」をしたり、がっしりとたくましい腕で、それは大切そうに、いとおしそうに、沐浴をさせたり着替えをさせたりしていたのが印象的でした。

そして退院されて少し経ったころ「こんな写真って撮れたりしますか?」とママさんから送られて来た1枚の不思議な写真。

それが私とニューボーンフォトとの出会いになりました。

 

「撮ったことないのだけど」と言いつつ家にあるそれっぽい布を持ってご自宅に行き、ママさんと一緒に「こうかなあ」と言いながら撮ってみた、はじめてのニューボーンフォト。

切れ長の目も、ちょっと淡い髪の色も、11年も経ったのにこのときのまんまでした。

 

そんな女の子に迎え入れてもらい、11年ぶりにパパさんとママさんに会いました。

ちょっとしわが増えたのはお互いさま(笑)

 

仕事はどうしてる?

子育てはどうだった?

11年間の時間を埋めるようにおしゃべりする私たちのもとへ、女の子がニューボーンフォトで作ったバースデーパネルと、1冊のフォトブックを持ってきてくれました。

11年前にお作りしたフォトブック。

colobockleを始めた初期のころ、私は撮影した写真を本に仕立ててお渡ししていました。

あの頃の1冊が、女の子の手元でずっと、一緒に過ごしてくれていました。

11年の時を経て開いた、フォトブック。そこには、

背中をさすってもらいながら陣痛に耐えるママ。

目を閉じて赤ちゃんの体温を感じるパパ。

新しい命を見つめる二人。

 

あのとき、「この子が大きくなって、もし辛いことがあったとき、自分は大切に迎えられて生まれてきたことを思い出せますように。」

そんな願いを込めて並べたページでした。

ページをめくりながら、すごく感じました。

 

見ているものが、11年前と何も変わっていない。

 

今同じ場面に遭遇しても、きっと私は同じシーンを切り取ります。

気持ちが動いている瞬間。

動いて流れて消えて、なかったことになってしまうような、小さな瞬間。

 

でも、想像と違ったことがありました。

それは、「いつか」ではなく、この本が「ずっと」女の子の成長と一緒にいさせてもらえていたということです。

 

たまに思い出したときにページをめくって、

女の子はどうやって自分が生まれて来たのかを感じながら育ってきました。

 

本にしてよかった。

 

今作っているストーリーブックかぞくのアルバムも、作りたいものは最初からずっと同じだったんだと、11年ぶりに見せてもらったフォトブックに気づかせてもらいました。

ママはもうじき2度目の出産。

その撮影をお願いしたいと、11年ぶりに連絡をくださいました。

 

年齢も違うし、産院も違う。

でもきっと、変わらないものがあるはず。

どんな場面を赤ちゃんに手渡すことができるのかな。

とても楽しみです。

でも、駆け付けられるかどうかは運しだい。

最近の私は取材や打ち合わせなどがとても多いので、タイミングを合わせられない可能性も高いです。

 

今週は、社員300人の会社の社長さんにお話を伺います。

取材は何度も受けてきた方でしょう。

でも私が知りたいのは、経営者という役割ではなく、願いを持つ、一人の人です。

 

 赤ちゃんを迎えた家族も、企業のトップも、私にとっては同じです。

はじまりはいつだって、一人ひとりの小さな思い、願い。

その小さな思いが、家族をつくり、会社をつくり、未来をつくっていくのだと思います。

 

 

11年前のフォトブックが見せてくれた、想いをかたちにした、ちょっと先の未来。

 

これから生まれる本や記事も、ひとつひとつを時間が経っても色あせない、

むしろ時間が経つほど価値が増すくらいに、丁寧に作っていきたいな、と思いました。