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やめたように見えて、やめていなかったこと│ストロボの探求

先日、久しぶりに上野に行きました。学生時代は中央線沿線に住んでいたので割となじみのある街でしたが、たぶん25年ぶりくらいです。

中野サンモールを歩いて向かったのは、カメラやレンズ、カメラ周辺機器を扱う、株式会社ケンコー・トキナーの本社です。

株式会社ケンコーは1957年創業。レンズフィルターの製造・販売では国内最大手として知られています。

2011年に光学機器メーカーの株式会社トキナーと合併し、現在の社名に。

本社ビル2階の直営店には、非常に多種多様なレンズフィルターと、世界各国のレンズメーカーのレンズなど、電気屋さんではなかなかお目にかかれないような幅の広いバリエーションの商品が並んでいます。

 

私のこの日の目的は、会議室で開催されたストロボセミナーでした。


10年以上前から、最前線を走り続ける姿をあこがれと尊敬を持って見つめている株式会社こどもとかめらの今井しのぶさんによる、ストロボセミナーが開催されるとあって、ぜひ今の疑問点を解消させてもらおう!と、25年ぶりの上野に向かいました。

ちょっとした角度、

ちょっとした設定、

ちょっとした気配り、

そういった、自分だけでは気づけない部分を確認しあい、

現場でより確実に撮影できるよう、一緒に試行錯誤します。

私は2024年11月に以前のコロボックルを終了して以来、1年半のあいだ、自分では撮影をしていません。

たくさん取材の現場には行きましたが、私はディレクターとして立ち会い、撮影するのはカメラマン。

自分で撮る必要がなくなったので、以前所持していたカメラや周辺機器は、自分の子どもを撮影するための最低限のものを残して、すべて中古ショップに売ってしまいました。

なのに、

実は、ストロボ講座を受講するのは、この1年半の間に4回目なんです。

 

こちらは昨年の夏に、横浜にあるシロホリスタジオにストロボを教えてもらいに行った時の写真。

この時も、シロホリに対するモデルの設置位置や、2灯使う際の各機種の数値やセッティング、自然光との組み合わせなど、色々な疑問をぶつけ、答えてもらいました。

この数ヶ月後にも、大井町線沿いにあるスタジオに、ストロボの講習を受けに行きました。

でもそこではあまり、収穫は得られなかったんですよね。

 

スタジオによって、カメラマンによって、同じ機材でも考え方や取り入れ方はだいぶ異なります。

色々な方のやり方を聞くと、そのまま取り入れるよりも、改めて、自分の光の作り方、撮影という時間の組み立て方を考えることができるように思います。

でも今回伝えたいのはそこではなくて、

「カメラマンはやめたんです」と言いながら、どうしてストロボの勉強も続けていたか、ということです。

 

「いつか再開する」とは決めていたわけではありませんでしたが、私の中で写真を撮る仕事は、完全に終了してはいなかったということです。

カメラマンの撮影を見ては、どんなふうにしているのかがものすごく気になるし、

私だったらどうするだろうと考える。

再開に向けて、静かにエネルギーを蓄えていた時間だったのかもしれません。

 

そして、そういう状態のものごとは、案外と世の中に多いんじゃないかな、と思います。

 

表に出ていないだけで、

水面下ではずっと動いているもの。

 

人でも、

組織でも、

森でも、

海でも。

 

そういうものを、大事に見ていきたいな、と編集者としては常々思っています。

さて、冒頭のケンコー・トキナーさんでのストロボセミナーでは、参加者がお互いを練習台にして、ストロボをセッティングして撮影しあいました。

そして参加者の方が、撮影した私の写真を送ってくれました。

ちょっとふざけてるんです。

カメラを肩に担いじゃってるし、

メイク直しもしてませんし、

髪の毛も整えてませんし、

表情も作ってませんし(笑)

「カメラマンって、こんな感じ?」と言いながら、ふざけて取ったポーズです。

 

でも、ちょっと気に入りました。

たぶん私、いろんな人のお話を聞いているときは、いつも楽しくて笑っていると思うから。

なので、ABOUTのプロフィール写真にしてみました。

 

「写真の世界に戻ってきたんだね」

そんなふうに声をかけていただくことがあります。

でも、振り返ってみると、

私は写真をやめたように見えていただけで、

ずっと撮影することを考えていたのかもしれません。