先日、ある企業に提出する資料を作っていました。
私のこれまでの仕事のうち、
・採用広報の戦略設計経験
・数値をもとにした改善経験
・社員インタビューやコンテンツ制作経験
などを整理し、どのような課題に対応できるのかが伝わるようにまとめてほしい、という依頼でした。
企業は組織です。
どの課題に対して、どんなピースとして機能する人なのか、
それが分からなければ、一緒に仕事をすることはできません。
だから私も、自分の経験を切り分けます。
広報。
編集。
ライティング。
写真撮影。
デザイン。
必要に応じて、わかりやすい単位に分解して説明します。
でも、いつも少し違和感がありました。
「それは確かに私がやってきたことだけれど、それが目的ではなかった」
と言い訳したくなるような感覚です。
3年ほど前、とても魅力的な事業を手がける会社で仕事をしたことがありました。
みんな真面目でした。
自社事業を愛していたし、
プレスリリース担当はプレスリリースを。
オウンドメディア担当はオウンドメディアを。
それぞれが自分の持ち場でまじめに仕事をしていました。
なのに、話が前に進まない。
でも、それぞれが自分の領域に最適化されすぎていたのかもしれません。
私はその会社を離れましたが、あのとき感じた違和感は今でも残っています。
そんなことを思いながらPCに向かう私の横で、7歳娘は工作をしていました。
6月3日は季節外れの台風が接近したために学校が臨時休校になり、一緒にリビングでテーブルに向かっていたんです。
先日作ったピンク色妙な生き物に、ベビーカーを作るんだそうです。
あれは赤ちゃんだったのか…
どんな形にしたいの?
どのくらいの大きさ?
何を乗せるの?
娘の頭の中にある完成形を教えてもらい、
ちょうどよいやり方を提案します。
作るのは娘です。
色を決めるのも娘です。
完成形を思い描いているのも娘。
私は構造を考え、
道具を渡し、
難しいところは手伝いました。
かつて日本の職人文化には、細分化と分業の特徴があったそうです。
着物なら、
糸を作る人。
染める人。
織る人。
図案を描く人。
刺繍をする人。
仕立てる人。
刀鍛冶なら、
玉鋼を作る人。
鍛える人。
研ぐ人。
鞘を作る人。
柄を巻く人。
それぞれが専門の技術を磨きます。
全体を見るのは棟梁や親方の役割でした。
不思議なことに、現代の企業も少し似ています。
営業。
人事。
広報。
マーケティング。
それぞれに専門性があり、だからこそ組織は大きくなれます。
でも。
この課題とあの課題は、実は同じ場所から生まれているのではないか。
この人とあの人をつなげば、もっと前に進むのではないか。
そんなことを考える人も必要になります。
娘の怪獣の赤ちゃんには、夕方までには絵本や歯ブラシなどの小物類も増え、
すっかり物語が出来上がりました。
大きくなると、とても大きなピンク色の怪獣に育つんだそうです。
私の実績資料も出来上がり、送付しました。
これからも、
カメラマンになることもあるし、
ライターになることもあるし、
編集者になることもあると思います。
でも、それらは目的ではありません。
人や組織の中にある力を見つけ、
点と点をつなぎ、
ニュートラルをギアに変える。
そんな仕事をしていきたいと思っています。

