昨日のスタジオ撮影では、たくさんの仕事、たくさんの顔を持つ女性を撮影する予定だったので、
白背景、グレー背景のほかに、ベージュ、ピンク、ライトグレー。
自然光、ストロボ、定常光。
さまざまな雰囲気のカットに対応できるように、スタジオを準備しました。
それから、スタジオ下のすずらん通りへ。
通りの入り口にある、小さなお花屋さんに行きました。
老夫婦が営む、古いお花屋さんです。
小さなピンク色の花のついた木が3鉢、置いてありました。
550円のものと、935円のもの。
550円のほうを手に取って「これください」と言うと、おじいさんは、「こっちのほうがいいよ。値段も同じでいいよ」と、935円の鉢を差し出してくれました。
「こっちのほうが根が張っていて、幹が太い。植え替えてやらないといけないけど、こっちのほうがいい木」
確かに、木のサイズは同じくらいなのですが、幹の太さと力強さに、樹齢の違いが感じられました。盆栽を選ぶのってこんなかんじなのかな。
でも私は、枝が細くて柔らかそうで、根元から葉っぱがついている550円のほうがいいんです。
だってこの子は、撮影のアシスタントだから。
これを前にぼかして入れたら、きっときれい。
ほら、きれいです。
前の日には、都内で別の撮影をしていました。
経営者や経営コンサルタントの方々による、「インターナルコミュニケーションで経営を推進する方法」についての座談会です。
私はカメラマンとしてその場にいました。
でも、ただ写真を撮っていたわけではありません。
どんな言葉に熱量があるか。
どんな順番で伝えれば、この会社の魅力として届くのか。
撮影をしながら同時に考え、時々メモに残します。
目と体を使って撮りながら、
耳と頭で構成をつくる。
撮った内容と、その場で語られた言葉をもとに、組織の目的に沿った記事構成を考え、書いていく。
撮って、考えて、書いて、花を選ぶ。
カメラマンなのか、編集者なのか、ライターなのか。
自分の仕事をうまく言葉で表すことができません。
でも私は、この仕事のしかたが、好きです。
ちなみに、ピンクの花の鉢植えは、「ボロニアピナータ」という木だそうです。
鉢を持って戻ろうとする私を追いかけて、おじいさんが「これも持っていかないと」と、品種名と説明の書かれたタグを渡してくれました。
そこに「ミカン科」と書かれていたので「ミカン科なんだ」というと、
「木をさわさわって触ると、ミカンみたいな香りがするんだよ。いい香りだよ」とおじいさん。
確かに、触れると爽やかな香りを発します。
アシスタントにしておくだけではもったいない、素敵な木に出会えました。
935円の方も買って、植え替えようかな…

